さくらのクラウドのエンハンスドロードバランサとGSLBの違いと選び方の話 #さくらVPS
さくらのクラウドのエンハンスドロードバランサとGSLB
さくらVPSで負荷分散をする場合に迷うところだろう。
自分はGSLBを選びました。
このあたりの話をしたい。
1、それぞれの概要
機能的には間違いなく「エンハンスドロードバランサ」が良いです。
どちらもリージョンをまたいでの接続が可能です。
それぞれ説明します。
2、エンハンスドロードバランサのメリット
SSLの処理もしてくれて、URLでも振り分けできる!
Nginxでのロードバランサとほぼ同じことができます。
SSL等をお任せできるので、サーバー構築が簡単になるのが良い。
冗長化もしてあり可用性も信頼できる。
東京と石狩にサーバーがあり、
近い方に接続してくれるのでレスポンスもGSLBより速いだろう。
理想的なロードバランサです。
3、エンハンスドロードバランサのデメリット
値段と性能のバランスがおかしい…
SSLを使うと「秒間の新しい接続の可能数(CPS)」が10分の1になります。
月額5775円の「1,000CPSプラン」の場合は「100CPS」が制限となる。
たったの秒間100です。さくらVPSメモリ2Gプランでも100は処理できるぞ…
WEBサイトとして使う場合、秒間500以上は処理できるようにしたい。
となると、「5,000CPSプラン」となり、月額28,875円です。
使いたいけど、さすがにこの値段では使えない。
デメリットはここだけです。
あとそう、こちらはさくらのサーバーでしかIPアドレスを指定できません。
4、GSLBのメリット
IPアドレスを返すだけなので、接続の制限等は無し!
GSLBはDNSラウンドロビンのデメリットである、
「ダウンしたサーバーへも送り続ける」を無くしたサービス。
ダウンしたらちゃんと接続しないようにしてくれます。
同時アクセス数とかの制限も無いので、いくらでも注ぎ込んでくれる。
だから自分はGSLBを選びました。
5、GSLBのデメリット
ダウン時の切り替えに時間がかかるの難点。
ダウンしたサーバーのIPアドレスは返さなくなりますが、
公式マニュアルでは「最低でも30秒はかかる」と記載があります。
また、ブラウザはキャッシュしているので、見ているユーザーはしばらく切り替わりません。
可用性という点ではいまいちな仕様です。
あと、TTLが短いのでDNSの問い合わせが頻繁にあって遅い時が多々ある。
そう気にはなりませんが、最速を目指す人は注意です。
6、構成例
GSLBはロードバランサの設置がほぼ必須になる。
無くてもできますが、本格的に構築するとなると欲しい。
GSLBはロードバランサの分だけ管理は大変になるのがデメリットです。
ただ、エンハンスドロードバランサよりも自由性が高いのはメリット。
楽しいのはやはり、GSLBです(ロマン的に)
7、選び方まとめ
同時アクセスを気にするならGSLBを。
気にしないならエンハンスドロードバランサを。
選び方はこれで良いと思います。
自分のように「同時アクセス1000を処理する!」なんて人はGSLB一択です。
冗長化だけしたい人はエンハンスドロードバランサが良い。
低プランなら値段もGSLBと変わらない。
エンハンスドロードバランサを使いたい人で、
さくらにこだわらないならAWSを使う方が良いと思います。
性能としての制限はないのでロマンがある。
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そんなところで、自分のGSLBを使ったサーバー構成はこちら。